導入事例

ケアカルテのデータ連携で一日がかりの作業が1時間に。稼働率の向上と業務効率化を同時に実現

社会福祉法人 奉優会

社会福祉法人 奉優会

課題
利用予約管理、業務効率化、稼働率の向上

目次

共有フォルダでエクセルファイルを管理することのむずかしさ

まずは奉優会さんについて教えてください。

本部は東京都世田谷区の駒沢にある社会福祉法人で、東京都内で23区を中心にサービスを提供しています。

法人全体で約150の事業所を運営しており、職員数は全体で約3,000名になります。

そのうちショートステイを提供しているサービスは14事業所で、すべての事業所でペースノートを利用しています。

 

 

導入前はどのように予約管理をしていましたか?

どこの施設も、エクセルを使って予約管理をしていました。かなり早い段階からペーパーレス化に取り組んでいたこともあり、すべての作業をエクセルで行っていました。

予約日のセルを結合したあと、セルに色を付けて予約を管理していて、紙で行っていた業務をエクセルに置き換えたイメージですね。

 

施設ごとに共有フォルダがあるので、その中にエクセルファイルを置いていました。

一部の施設ではGoogleのスプレッドシートを使って共有しやすい工夫をしていましたが、本当にごく一部の施設です。

 

 

エクセルを使った予約管理に課題はありましたでしょうか?

10年以上エクセルでの予約管理をしていましたが、使っていくうちに改修を繰り返しているおかげで、かえって原本の修正がたいへんになっていました。

ファイルが壊れてしまい、翌日の朝出勤したら開けないなんてこともありました。

もしくは全く違う排泄表などに置き換わってしまってることもありましたし、操作しているうちにミスが起きていたようです。

そういったミスを防ぐために更新する度に新しいファイルを複製していたのですが、そうするとファイルの管理がたいへんになります。

 

また共有フォルダに置いているため、誰かが開いていると他の人が編集できません。

相談員が複数名在籍しているので、同時に受電した際にお互い編集できず、開いている人に編集をお願いする必要がありました。

お願いするタイミングによっては他の業務が差し込みになるので、ついつい伝え漏れてしまうなんてことも…

 

誰かがファイルを開いていると最新の予約状況が分かりませんし、そうすると空床ではないのにご案内してしまうこともあり、ご利用者やご家族に迷惑をかけてしまいます。

シートで利用月を分けていたので、先々の予約管理もたいへんでしたね。

 

 

予約管理表を起点とした付帯業務

エクセルだとファイル管理がむずかしくなってしまいますよね。他にも課題はありましたか?

シートの中に月ごとの稼働率や利用人数を計算する計算式も含まれていましたが、エラーになることが多かったです。

壊れているとまだ気付けるからいいのですが、どこかで数式が変わっていると稼働率が全然違う数字になってしまいます。

エクセルで困ったことがあれば他の施設の相談員に聞いたりしてたのですが、得意な人がいなくて解決がむずかしく、Google検索などを活用して協力し合っていました。

 

他にも仮予約の方は色で予約管理していたのですが、エクセル上では人数にカウントされてしまうので、本来は計算式から除外すべきなのに計算されてしまいます。

ですので予約表の数字は参考にしていたものの、間違いがないようにするため結局は手計算で数えていました。

どれだけ注意しても数え間違えは起きてしまいます。数えている時に電話が来たり現場から相談があると数え直しになりますし、本当にたいへんでしたね。

 

 

予約管理表はその他の業務にも関連していたのでしょうか?

まずは請求との関連があり、ここに課題を感じていました。

日々の業務で、2〜3日後に入所日が来る方の予約スケジュールを、請求ソフトのケアカルテに入力していました。

入力業務だけでも手間がかかる上に、予約日程の変更があれば予約表とケアカルテを両方修正しなければいけません。

また月末には請求の間違いがないように、予約表を見ながらケアカルテの日程とズレがないか、お一人ずつの予定を複数人で確認していました。

全ての作業を含めると一日がかりなので、かなり負担が重かったんですよね。

手作業なので、どこまで注意深く作業してもミスが起きてしまいます。

 

送迎表も同様にエクセルの管理をしており、同じような課題がありました。

別のファイルとして存在するので連携しておらず、予約管理表は更新したけど送迎表の更新を忘れてしまうこともありました。

予約表を中心に業務が回っているので、関連するソフトや書類に対する二度手間が発生してしまうんですよね。

 

 

経営層から見たエクセルの課題はいかがでしょうか?

施設外から各施設の共有フォルダにアクセスできないので、来月の見込みが知りたい場合に報告を依頼する必要があります。

現場も毎日稼働率を追っている訳ではないので、どうしてもすぐに報告を上げれないことも理解しています。

負担にもなってしまうので、気軽に依頼できませんでしたが、こちらも必要なものなので依頼をしなければなりません。

現場で1ヶ月分すべて手作業で数えてる姿も見ていたので…本音を言うと特に忙しい時期は聞きづらかったです。

 

 

ずっと探していた予約と請求の連動で導入を即決

ペースノート導入のきっかけを教えてください。

長らくエクセルでの予約管理に課題を感じていましたし、請求業務まで一貫して効率化する方法を模索し続けていました。

ショートステイの予約管理に特化したサービスは、ペースノートさん以外にもいくつかあってホームページを見ましたが、電話をしてみるとサービス提供が終わってしまってるものなどが多くなかなか進みませんでした。

 

2022年12月に一度ペースノートさんにご説明をいただいたのですが、課題に感じていた予約管理表から請求への転記ができず、残念ながら導入を見送りました。

予約管理はとてもいいと思ったのですが、当法人としてはできる限りの業務をデジタル化したい意向がありました。

 

そのため同時期に請求ソフトのケアカルテを提供するケアコネクトジャパンさんに相談し、予約管理の機能を一緒に開発していました。

 

 

半年以上、何度もディスカッションを重ねて、かなりいいところまで進んだのですが、どうしても実装できない機能があって諦めた経緯があります。

かなり細かい機能ですが、技術的には可能なものの、変更するとメインの請求に影響が出てしまう機能だったそうです。

 

そんな時にケアコネクトジャパンさんから、「ケアカルテとペースノートがシステム連携をスタートした」という話を聞いて、早速お話を伺って導入を進めました。

「やっぱりできなかったか…」と落胆していたので、システム連携にはかなり心が踊りましたね。

お互いのいいところを活かし合うデータ連携という方法で、ずっと探し求めていた理想のソフトができたように感じました。

いいと思っていた予約管理のデジタル化も進められて、さらに請求業務を効率化して正確にできるのですから。

ただ現場を含めて、導入に対しても心配もありました。

 

 

どういった心配があったのでしょうか?

10年以上エクセル管理に慣れていたので、本当に移行できるのかという心配がありました。

トップダウンだけで導入するとうまくいかないと思ったので、導入担当の相談員とタッグを組んで一緒に進めました。

法人全体の相談員が集まる会議にも経営層ではなく、導入担当の相談員にペースノートの紹介をしてもらいました。そちらの方が説得力がありますしね。

相談員にとって今までのエクセルの予約管理表は「命」のようなものなので、なるべく今までと変わらない操作感で使いたい気持ちでした。

 

 

はじめてペースノートを見た印象はいかがでしょうか?

エクセルとあまりにかけ離れたものだと移行がむずかしいと心配していましたが、普段使っている予約表と大差がなく安心しました。

色分けなどの細かい機能もあり、エクセルよりもいいものだと思いましたね。

他の相談員もデモを利用してみたところ、シンプルでむずかしいと感じた人はいなかったようですね。

こういったシステムを導入する時は、いかに現場を巻き込むかが大事なので、使いづらいものは導入できないと考えています。

エクセルや請求の手間をずっと課題に感じていましたし、使いやすそうなので「すぐ使いたいな」と思いました。

 

 

グループを分けた段階的な導入でスムーズに

ペースノートの説明をしてから導入まで2ヶ月と早かったのですが、早く導入を決意された理由はありますでしょうか?

まず率直にいいものだと思ったので、予算外ではあるものの、できれば早く利用したいという気持ちでした。

導入後に落ち着くまで少し時間がかかると予想していましたし、それを乗り越える時期を少しでも早くして、そして業務が楽になるのも早い方がいいと思って導入を前倒ししました。

 

 

導入時にいくつかのグループに分けて導入を進めましたよね。

3〜5事業所ごとにグループを分けて、グループごとにペースノートさんのサポートを受けました。

導入を進めながら課題も出てくるかと思ったので、一気に出てくるよりも少しづつ解決していくのがいいと考えていたんですよね。

グループごとに特色も出ると思ったので、人選や順番にはかなり気を配りましたね。

この進め方が功を奏して、予想以上にスムーズに導入できました。

全事業所を同時に導入するよりもスムーズに導入できたと思います。

ペースノートさんからは各グループからの質問をまとめてレポートで共有いただけるので、経営層としても安心でした。

 

ケアカルテとの連携もスタートしたばかりのサービスと伺ったので、多少の不具合は想定していました。

いくつかあった不具合もすぐ修正いただきましたし、想定よりも少なかったという印象です。

こちらが気付いていない登録のミスを逆にご報告いただけるので、むしろサポートは充実してるように感じていますし、ありがたいくらいです。

 

 

積み重なった業務改善が大幅な時間短縮に、同時に稼働率も向上も実現

ペースノートを導入した効果はいかがでしょうか?

まずはエクセルにおけるファイル管理や編集の手間は大幅に削減できました。

当時はエクセルが普通でしたが、今思うとセルを結合して予約を入れて、そして変更があれば解除してまた結合して…とかなり時間がかかっていましたね。

またお名前に関しても毎回入力が必要で、特に毎週末などの定期利用者は入力の手間がありました。

ペースノートは登録されている利用者の名前を選択するだけで済みます。

 

予約を起点とした請求業務に関しては、一日かかっていた作業が1時間程度に短くなりました。ベッド数が多い事業所ほど業務の効率化を実感しています。

手作業の時よりも請求業務が正確になったのではないでしょうか。

その他の業務も削減されたものが積み重なっているおかげで、明らかに残業時間が少なくなっています。

法人規模が大きく人数も多いため、なおさら導入効果が大きいように感じます。

 

 

使ってみて意外と便利だった機能はありますか?

FAXの自動送信もかなり活用しています。

今までは予約管理表を見ながら空床予定表を作成して、そして複合機に登録されている事業所の宛先を複数選択して50ほどの事業所に送信していました。

作業中に職員から声をかけられることもあり、その度に中断することがありました。複合機を独占してしまうので、他の職員が使うこともできません。

今ではペースノートで事業所を選択して送信ボタンを押すだけなので、作業が短い分中断される可能性も低くなりました。

こういった一つの業務が少しずつ短縮されることで、トータルで見ればかなりの削減になっています。

 

 

業務効率以外の観点ではいかがでしょうか?

業務効率だけでなく、稼働率にも影響を与えていると思います。

エクセルと比べて空床が一目で分かるようになったので、調整がしやすくなっていますね。空いてる日に予約を入れようと自然に思うことができます。

導入前は約100%だった稼働率は、導入後に過去最高の109%を記録しました。

経営層としても、ペースノートを開けば全事業所の稼働率をリアルタイムに知れるようになったのは大きいですね。

 

特養の空床利用も積極的に行っていますし、こちらもエクセルではかなり負担がかかることでした。

また業務が効率化されて余裕ができたので、そのおかげで稼働率を上げるための業務に手を回せていると思います。

業務が改善されることによって、精神面にも余裕が出たように感じます。

 

 

ペースノートの機能以外でも評価いただけるポイントはありますでしょうか?

こちらの要望をベースに機能開発をしてくれることが、ペースノートさんに対する一番の評価点だと思います。

最近だと入退所スケジュールの機能が充実化されましたし、細かいところだとキャンセル待ちの方、特養の空床利用なども使いやすくなっています。

今まで他のシステム会社さんとも交渉してきたことがありますが、費用などの理由で受け入れてもらえることはほとんどありませんでした。

「開発会社はそういうものだ」という先入観もあったので、かなり驚きでしたね。

ペースノートさんからも「本質的な要望をいただけるので、ペースノートのパワーアップにつながっている」と伺っており、こちらとしても要望をお伝えしやすいです。

新しくできる事業所からも「早くペースノートを導入してほしい」という声があがっているので、満足度が高いサービスだと思います。

 

 

導入をこれから進める方にアドバイスをお願いいたします。

国としてもデジタル化を進めていますので、介護現場の流れも加速すると思います。

ペースノートは今までの業務をそのままシステムに置き換えただけなので、追加で発生する業務はありません。

相談員に必要な機能がすべて揃っていますし、相談員の経験がある方が作ったものだと思える細やかな配慮が感じられます。

業務効率化だけでなく稼働率の向上も実現できます。すごくいいシステムだと思うので、ぜひ皆様に使ってほしいなと思います。

 

 

今後の展望やペースノートに対する期待はありますか?

今後も現場からの声を元に、フットワークの軽い機能改善を継続いただけることを期待しています。

ショートステイの予約管理業務の改善を実感できているので、特養向けのシステムも開発いただけるとありがたいです。

脱エクセルからスタートしていますが、法人全体としては予約業務をすべてデジタル化したいと思っています。

いい意味で当法人をテストとして使っていただき、新しい取り組みを進めるモデル法人にしていただきたいですね。

 

要望を元に一緒に機能を開発するのはもちろんのこと、共催セミナーも開催してみたいです。

昨今どのショートステイの事業所も苦しい状況が続くので、ペースノートを活用することで当法人に起きた変化を少しでもシェアできればと思っております。

導入から半年以上経過しているので、データで変化をお伝えできます。

システム開発だけでなく、イベントも含めて今後ともよろしくお願いいたします。

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