介護老人保健施設
2024-12-27
空床の可視化によって意識、行動が変化し稼働率が向上。超強化型を支えるペースノート
- 施設名:
- 介護老人保健施設 サンホーム
- 所在地:
- 岩手県花巻市東宮野目13-95-1
- ベッド数:
- 50
- 相談員数:
- 1
- 施設名:
- 介護老人保健施設 サンシャイン
- 所在地:
- 岩手県花巻市本館189
- ベッド数:
- 90
- 相談員数:
- 3
- 施設名:
- 花巻市老人保健施設 華の苑
- 所在地:
- 岩手県花巻市東和町安俵6-75-1
- ベッド数:
- 60
- 相談員数:
- 2
- 課題
- 入所スケジュール管理、複数施設間の情報共有、業務効率化、稼働率の向上
目次
エクセルで共有できなかった施設間の空床状況
まずは、ほがらか会さんについて教えてください
岩手県花巻市に本部を置く医療法人です。老健を3施設、病院を1施設運営しており、その他にグループ法人で特養やこども園も運営しています。
2つの老健は病院と隣接しているのですが、1つは少し離れた距離にあります。
リハビリに力を入れているため老健は超強化型となっており、在宅復帰が強みです。
ペースノートはすべての老健で利用しています。基本的に相談員が操作をしていますが、管理職や現場を含めた多職種で閲覧をしています。
ペースノートの導入前に抱えていた課題を教えてください
ご予約のお電話があった際に、どうしても予定が合わずに自施設では受け入れができないことは多々あります。できれば法人内の別施設をご案内したいのですが、他施設の予約状況が分からないため、折り返しの対応になっていました。
入所に比べてショートステイは緊急性が高いことが多く、いただいたお電話で回答できないと違う施設での利用が決まってしまうことがありました。
月に数回はこういったやり取りがあり、なるべく取りこぼしをなくしたいという課題がありました。
法人として最も解決したいと考えていた課題がこちらでした。
なぜ他施設の予約状況が分からなかったのでしょうか?
予約管理をエクセルで行っていたのですが、相談員各自のパソコン内にファイルがありました。
他施設と共有する共有フォルダのような仕組みがなく、相談員同士で電話で確認しなければなりませんでした。
その他にエクセル管理の課題はありましたでしょうか?
予約表を現場に共有するために、印刷して配布していました。変更がある度に印刷するとコストがかかるので、手元のエクセルを修正したあとに、一度配布した紙を修正テープで書き換えていました。この作業は本当に大きな負担になっていましたね…
紙での情報共有には限界があり、どうしても申し送りミスや忘れ、書き漏れが発生してしまいます。ご利用者にご迷惑をおかけしてしまうこともありました。
施設によっては1階が相談室、現場が2、3階となっているところもあり、移動もたいへんでしたね。
予約状況は現場だけではなく、他にもドクターや栄養士など多職種に共有していました。そのまま予約表を印刷しても見づらいので、別のファイルに転記をする手間も発生していました。
現場を含めた多職種への情報共有に課題があったのですね。その他はいかがでしょうか?
各施設で工夫しながらエクセルを作成していたため、フォーマットが異なっていました。
相談員は異動の頻度が少ないものの、異動となればまったく違うファイルを操作する感覚でした。異動が少ないということは在籍も長いため、慣れ親しんだ形式が大きく変わることにどうしてもギャップを感じてしまいます。
「形式が少し違う」というものではなく、本当に全然違う運用となっていました。できれば予約表の管理方法も統一したいとは思っていましたね。
また自法人で居宅のサービスもあるのですが、ケアマネジャーに情報を伝えるのがむずかしかったです。
エクセルでは空床に見える日でも、実は仮予約で埋まるかも知れないという日はあります。ここの表現がむずかしく、毎回伝えることがたいへんでした。特にこういった仮予約が多いタイミングはなおさらたいへんでしたね…
説明しなければいけない、聞かなければいけないというのはお互いのストレスにもなるため、説明の手間だけでなく人間関係にも影響してきます。
先ほど教えていただいた課題はいつ頃から感じられていたのでしょうか?
実はずーっと煩わしいな…と感じていました。特に超強化型になるタイミングで、なおさら課題が顕著になった気がしています。
3年ほど前に超強化型になったのですが、その分日々の入退所が増えたので、管理がたいへんになりました。
今思い返すと予定表だけでは在宅復帰率やベッド回転数などを把握できないため、条件を満たすための集計表も別で作成していましたね。予約表の人数を見ながら、お一人づつ手でカウントして転記していました。
直感的に使えるツールだと思い、3ヶ月のスピード導入へ
ペースノートを知ったきっかけを教えてください
上司から「こういったものがあるよ」と教えてもらったのが最初のきっかけです。インターネットから情報を得たと伺っています。
ロボットやICTなど、負担軽減につながる情報をいつも共有してくれる方なのですが、「ベッド管理がたいへんだ」と相談員が常々伝えていたので教えてくれたのかも知れません。
お問い合わせいただいてから導入までがとても早かったですよね
ペースノートの存在を知ったあとにすぐ問い合わせをして、3施設の相談員が集まって説明を聞きました。
その後即決した覚えがあるのですが、実は問い合わせの時点で導入を前提としていましたね。
相談員が集まる毎月の会議で予約表に関する課題や稼働率に関する話がよく上がっていたので、みんななんとかしたかったんです。
法人としても、いいものであれば導入しようという空気もあったため、やってみようという流れがすぐに作れました。
導入後の初期設定に関してペースノートさんに協力いただけたので、本当にすぐに利用を開始できました。最初にお話を聞いてから3ヶ月ほどで利用を開始した記憶があります。
初めて見た時に、かんたんですぐに使えそうという印象を受けたのも大きいです。
現場職員には「今までより見やすくなるから紙は印刷しないです。これからはペースノートを見てください」と伝えるだけでしたが、何ら問題はありませんでした。
他のツールだとパソコンを打つことができないということもありましたが、ペースノートは見てクリックするだけですからね。
今までいろんなツールを使ってきましたが、ペースノートは色味などパッと見で使いやすそうという印象があり、本当にどのツールよりもすぐに馴染みやすいと思いました。ボタンの数も少なく、一番直感的に使えるツールだと思います。
大幅な業務改善と情報共有の変化
ペースノートの導入は課題の解決につながっていますでしょうか?
取りこぼしをなくすという法人内での最も重要な課題は確実に解決できました。
これまでは「他の施設が空いてるかも知れないので、確認の連絡をしてください」でした。今はペースノートを見て空いていれば「この施設に連絡してください」と言えるようになりました。
ペースノートは仮予約の表現もできますので、仮予約で表示されている日は相談してもらっています。
そして業務効率が断然に上がりました。エクセル管理と比べると、多い日で1日1時間の時間短縮につながっていると思います。
細かいところですが、エクセルだと新しい月のシートをつくる時は日付と曜日を合わせてカレンダーをつくるところから始まります。
予約に対してご利用者の名前を毎回入力する必要もありました。
毎週利用の方だと4回同じ作業をしないといけません。
ペースノートに変わってからは、日付を指定して登録されているご利用者を選択するだけで済みます。
申し送りが長引くとそれだけで1時間かかってしまうこともあります。
こういった細かい作業が積み重なって、予約管理表の作成だけでもかなり時間がかかっていました。
印刷に関してもいろんなところに配る必要があり、1回の印刷で10枚以上印刷していました。毎月100枚単位で印刷していましたし、コスト削減にもつながっています。
これまでは手元のエクセルファイルを最新版として、配布した紙が全部最新の情報になっているか心配していましたが、今ではペースノートさえ更新していけばいいと思えるので精神的な負担も少なくなっています。
多職種への情報共有で役に立っていると感じることはありますか?
ペースノートのメモ欄を活用して、食事箋として利用しています。
利用と食事に関するメモを書いて栄養士に共有しておくと、厨房へそのまま伝えることができます。
入所やショートのスケジュールに対して食事に関するメモを書くだけで、栄養士・厨房にまとめて伝えることができます。
その他にも毎朝のドクターとの申し送りでも活用しています。今までは申し送り用の紙を作っていたのですが、ドクターもペースノートを閲覧できるので、入退所の共有がかなり楽になりました。
法人の事務局も閲覧権限を持っているため、会議などの準備も格段に楽になりましたね。逆に言うと各施設の利用状況がすべて見えているため、相談員にとってはいい刺激にもなっています。
稼働率が常に表示されているのもいいと思います。見えているとついつい気になってもう少し上げていこうと思えますし、お互いに他施設の稼働率を見て競い合ったりもしています。
実際にペースノートの導入後に、一番稼働率が低かった施設の稼働率が急上昇しました。
数字が見えることで次の行動を決めることができます。ひとえに空床と言っても時期などの理由もありますし、空床を埋めるにあたっての行動が違ってくるはずです。
その行動をチームとして話し合うきっかけになったおかげか、本当に格段に稼働率が向上しましたね。
稼働率の向上のためにFAX送信機能は使われていますでしょうか?
超強化型ということもあって、元々稼働率が高いので機会は多くないですが利用しています。特に施設規模が小さいところは少しの空きで稼働率に影響が出てしまうので、使用頻度は高くなるようです。
あまり困ってはいなかったものの、試しに送ってみたところ、かなり反響が多かったです。送った件数に対して4割ほどお返事がありました。
空床の利用以外の相談の電話もあり、ご利用者のことを話すきっかけにもなっています。
困った時に思い出してもらえるように、送るということ自体に意味があると思いますね。
FAXが一斉送信できるだけではなく、リストから必要なところを選べることもいいですね。長期の予約を埋めたい場合は病院、短期の場合は居宅など使い分けています。
岩手県全域や近隣だけに送信など、リストから選択してボタンひとつで希望の事業所にまとめて送れるのは便利ですね。
導入前はFAX送付は一切していなかったので、大きな変化でした。電話をかけることはあったのですが、やはり時間がかかってしまうので、FAXほどの件数に連絡をすることはできません。
ペースノートの機能以外でご評価いただける部分はありますか?
初期設定をお手伝いいただけたのはとても助かりましたおかげさまですぐに利用開始することができました。
またサポートの方には質問のついででこちらからの要望をいつも伝えてしまっていますが、しっかり向き合って改善いただいているんですよね。
ペースノートさんからも要望が改善に役立っていると伺っているので、こちらとしてもお伝えしやすいですね。
数字の可視化による意識変化
今後導入を検討している方にアドバイスはありますか?
法改正によって、老健施設の運営はだんだんと厳しくなっています。稼働率や在宅復帰率などの数値を意識せざるを得ないですし、そのためには業務効率を改善しなければなりません。
本当にやらなければいけない作業に集中するためにも、ペースノートのようなツールを活用して業務効率化を図ることは必須になってくると思います。
実際に使ってみて負担の軽減にもつながっているのでおすすめしたいです。
ペースノートを導入したことで予約管理の仕方が丸々と変わったように感じていますし、今後の見込みまで見えることは本当に大きな変化でしたね。
法人内の全施設の稼働率が可視化されたことで、お互いに頑張ろうという気持ちになれます。
また現場職員など普段は稼働率を意識していなかったと思いますが、見えることで意識が変わったと思います。
今後のペースノートに対する期待を教えてください。
機能開発は常に進んでいますので、これからも継続いただけるとうれしいですね。本当に小さいことでも気にかけて改善していただいています。
本日も取材で来ていただいたにも関わらず、たくさん要望を伝えてしまいました。改善してくれるという信頼感があるからこそ安心して要望をお伝えできます。
請求ソフトとのシステム連携も進んでいるようですので、ぜひとも連携先が増えていくことを期待しています。